お食い初めとは?儀式のやり方・メニュー・順番など気になるルールをわかりやすく解説
お食い初めとは、赤ちゃんの成長の節目を記念して、家族・親族が集まって執り行う伝統行事です。初めてのお食い初めを迎えるご家庭では、お祝いする時期や手順、料理のメニューなど、わからないことがたくさんあって困ってしまいますよね。
この記事では、事前に知っておくと役立つお食い初めのハウツーをご説明します。お食い初めをさらに盛り上げるおすすめのアニバーサリーイベントもご紹介しますので、ぜひご一読ください。
◼️お食い初め以外にもどんな赤ちゃん行事があるのか知りたい方はこちら
お食い初めとは
はじめに、お食い初めの意味や発祥、お祝いする時期・場所を確認してきましょう。
お食い初めとはどんな行事?
お食い初め(おくいぞめ)とは、生まれてきた子どもが一生食べ物に困らないことを願い、お箸で料理を食べさせるフリをする儀式です。赤ちゃんに初めてお箸を使って食べさせることから、地域によっては「箸揃え」や「箸祝い」とも呼ばれ、古くから親しまれてきました。また、料理には必ずお魚が振る舞われるため「真魚始め(まなはじめ)」ともいわれています。
お食い初めの発祥は?
お食い初めは、平安時代の日本で発祥した「五十日(いのか)祝い」という文化が由来だといわれています。なお、五十日祝いとは、重湯に五十日餅(いのかもち)を入れ、赤ちゃんの口に少量を含ませる儀式です。時代の移り変わりとともに五十日が百日に、お餅が魚へ置き換わり、現在のお食い初めへと変化していきました。
お食い初めをする時期はいつ?
お食い初めは、別名「百日祝い(ももかいわい)」や「100日祝い」とも呼ばれるとおり、生後100日目に執り行う行事です。100日目といっても厳密な日付ではなく、赤ちゃんの歯が生え始める生後100日〜120日を目安に行います。地域によっては、子どもの長寿を願い、120日以降にお食い初めを行う「食いのばし」という風習が伝わっているそうです。
要するに、お食い初めの実施期日には厳格な決まり事はありません。生後1カ月前後に行うお宮参りを先延ばしして、お食い初めと一緒にする方もいます。赤ちゃん・ママの体調やスケジュール、日付の吉凶など、ご家庭ごとに都合のよい日を選んでください。
お食い初めはどこでする?
お食い初めをする場所は、主に次の二択です。
- 料亭・レストラン
- 自宅
料亭やレストランに頼めば、準備の手間がかかりません。お食い初め用のお祝い膳を提供している場合もあるため、確認のうえ予約が必要です。ただ、外出先での赤ちゃんとの食事は何かと気を揉むもの。急に赤ちゃんの機嫌が悪くなることも考えられるため、短時間で済ませるのが鉄則です。
一方、自宅でのお食い初めは、周囲の目を気にせず家族団欒のひとときを過ごせます。慣れた環境でお祝いできるため、赤ちゃんもリラックスしてくれるでしょう。しかし、自宅でお食い初めをする際は、お祝い膳を自分で手配しなければなりません。手作りが大変なときは、仕出しやテイクアウトをうまく活用するとよいでしょう。
お食い初めの基本ルール
続いては、お食い初めのお祝い膳を食べさせるときの決まりごとや献立に関するルールの説明です。
お食い初めの儀式のやり方
お食い初めでは、主役となる赤ちゃんと同性の「養い親」がお祝い膳を食べさせます。養い親とは、実の両親のことではなく、親族の最年長者です。つまり、男の子には曽祖父や祖父、女の子なら曽祖母や祖母が食べさせる流れとなります。
しかし、核家族化が進む現代では、このしきたりを守ることが難しいご家庭もあるでしょう。基本的な形式さえ押さえておけば問題ありませんので、ルールに捉われすぎず、家族構成やご事情に応じて柔軟に楽しんでください。なお、最近のトレンドは、参加者全員がローテーションで食べさせるスタイルです。
お食い初めのメニュー
お食い初めの基本メニューは一汁三菜です。赤飯・吸い物・尾頭付きの鯛・煮物・香の物などのお祝い膳を用意します。それぞれのメニューが選ばれる理由は以下のとおりです。
メニュー | 選ばれる理由 |
赤飯 | 魔除け、厄払いとして |
吸い物 | しっかりと吸える強い子になることを祈願して |
尾頭付きの魚(鯛) | 「めでたい」の語呂合わせと縁起物の紅白にちなんで |
煮物 | タケノコ(まっすぐ伸びる)レンコン(見通しがよい)などの具材を使った縁起担ぎとして |
香の物(酢の物) | 「紅白なます=縁起物」にちなんで |
とはいえ、この一汁三菜はあくまで定番メニューであり、地域やご家庭によって献立の種類はさまざまです。
お食い初めで食べさせる順番
お食い初めでは、間に赤飯と吸い物を挟みながら、そのほかの副菜を食べさせます。順番には諸説ありますが、主に以下2つのサイクルがよく選ばれているようです。
- 赤飯→吸い物→赤飯→お魚→赤飯→吸い物
- 赤飯→吸い物→赤飯→副菜のいずれか→赤飯→吸い物
上記のいずれかを1サイクルとして、参加者1人あたり3回ずつ繰り返します。地域やご家庭によって食べさせ方が異なるため、事前に確認しておくとスムーズに進められるでしょう。
なお、食べさせると言っても口に入れるのではなく、赤ちゃんの口元にお箸を寄せてフリをするだけです。生後100日前後の赤ちゃんはまだ食べられないものも多いため、本当に食べさせてはいけません。
歯固めの儀式
お食い初めを終えれば、続いて歯固めの儀式に移ります。歯固めの儀式とは、これから丈夫な歯が生えてくることを願う風習です。儀式のやり方は、以下の手順で行います。
- まずお箸で「歯固め(はがため)石」に触れる
- そのままお箸を赤ちゃんの歯茎へ当てる
歯固め石によるケガや誤飲を避けるため、口には入らないよう注意しながら、そっと優しく歯茎の辺りに触れさせてあげてください。
お食い初めに必要な道具一覧
お食い初めでは、たくさんのものを用意しなければなりません。ここでは、お食い初めで必ず使う5つの道具をチェックしておきましょう。
食器・お膳
お食い初めでは離乳食用の食器を使用しても構いませんが、伝統的には以下の6つです。
食器の種類 | 入れる食べ物 |
飯碗 | ご飯類 |
汁椀 | 汁物 |
平椀 | 温かい副菜 |
つぼ椀 | 冷たい副菜 |
高杯 | 漬物や歯固め石 |
平皿 | 主菜 |
並べ方は、手前左側から飯碗、右に汁椀を配置します。そして左奥に平椀、右奥にはつぼ椀を置いてください。さらに中央へ高杯を配置し、平皿はお膳の上部もしくは外に置きます。地域やご家庭ごとに並べ方が異なる場合があるため、事前に確認しておきましょう。
また、食器は男女で色が異なります。男の子用はすべて朱塗りの漆器です。女の子用には外が黒、内が朱で塗られた漆器を使います。また、お膳の高さも男女別になっており、女の子用は少し高足です。
一般的に、食器やお膳は母方の祖父母から贈られるとされてきました。とはいえ、絶対のルールではありませんので、ご事情に応じて柔軟に対応しましょう。
祝い箸
お食い初めでは、祝い箸を使って赤ちゃんに料理を食べさせます。祝い箸とは、縁起がいいとされる末広がりの形をした八寸(約24cm)のお箸です。両先端が細くなっており、上下どちらでも使えることから、両口箸とも呼ばれます。お祝い箸の上下いずれか一方は神様が使用するためのものと考えられているため、片方のみを使用するのが古くからの習わしです。
歯固め石
お食い初めのあとに歯固めの儀式をするときは、お祝い膳に歯固め(はがため)石を置いておきます。歯固め石の入手ルートは、主に次の3通りです。
- お店で専用のものを購入する
- 近くの河原で拾う
- 神社・お寺からいただくか借りる
歯固め石に特別なルールはないものの、最も適しているのは直径2〜3cm程度の丸か楕円のツルツルした石です。神社やお寺によっては、お宮参りなどの参拝の際、ご祈祷した歯固め石を配布しているケースもあります。境内などから借りる場合は、社務所に許可を取ってから拾いましょう。
歯固め石は、間接的とはいえ赤ちゃんの口に触れるものですので、入手方法にかかわらず、きれいに洗浄・消毒してください。歯固め石の使用後、借りている場合は元あった場所に戻すのがマナーです。また、購入もしくは貰い受けた歯固め石は、捨てても構いませんが、記念の品として大切に保管しておくと思い出が形に残せます。
なお、歯固め石に梅干しやお餅などの食べ物を用いる地域もあるため、赤ちゃんの口元に石を当てるのがためらう方は、それらで代用するとよいでしょう。
赤ちゃんの衣装
お食い初めでの赤ちゃんの伝統的な衣装は、色付きの小袖です。しかし現代では特別なルールはなく、自由に衣装を決めて構いません。和風のロンパースや甚平のような衣装を選べば、動きやすいうえ、和の雰囲気が演出できてかわいいですよ。
お祝い金などへのお返し
お食い初めでは、お祝いにお金やプレゼントをいただくケースもあるでしょう。基本的にお食い初めの際に振る舞う食事をお祝い金のお返しにしてよいとされていますが、メッセージと写真を添えたお礼状を出すとより丁寧です。
お食い初めに参加しなかった方へのお返しの場合は、お祝い金の3分の1〜2分の1、もしくは祝膳の金額くらいを目安に内祝いを贈りましょう。
お食い初めとあわせてやっておきたいイベント3選
ここからは、お食い初めと一緒にやるともっと楽しくなる3つのイベントをご紹介します。
食事会を催す
お食い初めでは、赤ちゃんだけではなく、参加する大人も一緒にごちそうをいただくのが一般的です。一生に一度の特別な日ということで、ちょっと贅沢なお膳で日頃の疲れを労ってみてはいかがでしょうか。
記念写真を撮る
お食い初めは、写真撮影の絶好のタイミングです。家族・親族が一堂に会するせっかくの機会ですので、ぜひみんなで揃って記念写真を撮りましょう。後になって写真を見返したとき、当時の思い出が鮮やかによみがえり、温かい気持ちになれますよ。
手形・足形を残す
お食い初めとあわせてぜひチャレンジしてほしいのが手形・足形取り。節目ごとに手形・足形を残しておくことで、成長を目に見える形で残せます。写真に手形・足形を添えたり、取った形を利用してアート作品を作ったりするのもおすすめです。
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柔軟な発想で家族ならではのお食い初めを!
もともと、お食い初めは複雑なたくさんの決まりごとがある行事でしたが、現代ではもっとカジュアルに楽しめるイベントになっています。難しく考えずに、家族みんなでお祝いのごちそうを囲みましょう。お食い初めは一生に一度の記念日ですので、貴重な一瞬の思い出を写真や手形・足形でかわいく残してあげてくださいね。