ハンドレタリングとは?練習法&活用術とおすすめアートペン
近年、「ハンドレタリング」に注目が集まっており、おしゃれな手書き文字のメッセージカードなどをSNSで目にする機会も増えています。ハンドレタリングは活かせるシーンが多く、例えば毎日のスケジュール帳、アルバム、グリーティングカード、イベントのポスター、POPなどさまざまです。
そこで今回は、「ハンドレタリングの基本と魅力」「タイポグラフィー&カリグラフィーとの違い」「初心者にピッタリの練習方法」「おすすめのアートペン」についてそれぞれご紹介します。
ハンドレタリングを始めてみたい、新しい趣味を見つけたい、という方はぜひ読んでみてください。読み終わる頃には、きっと文字を書きたくなっているはずです。
SNSで話題!ハンドレタリングの基本と魅力
こちらではまず、 SNSで話題のハンドレタリングの概要についてご紹介します。
手でデザイン文字を書く「ハンドレタリング」
ハンドレタリングとはカリグラフィーの一種で、その名の通りペンでデザインされた文字を書くことです。フリーハンドで文字を美しく書くハンドレタリングのテクニックは、 手書きのグリーティングカードや年賀状などあらゆるシーンで活躍します。
「おしゃれなデザイン文字を書いてみたい」という方が楽しむ趣味として、 SNSなどで人気を博しています。
身近な筆記具と紙があればすぐに始められる
ハンドレタリングは、ブラッシュマーカー(筆ペン)やカラーペン、スケッチブックなど身近な文房具があればすぐに始められます。
ハンドレタリング専用のマーカーペンもありますが、初心者の方はまず身近にあるペンを使用して練習を始めてみましょう。慣れてきたら、専用ペンなどを使って本格的に取り組んでみてください。
また、スケッチブックや厚手のノートを使って練習すれば、ポストカードなどに書いたときと近い感覚を掴めるでしょう。もちろん通常のノートでも構いませんが、初心者の場合はガイドラインのある専用の練習シートを使用することをおすすめします。
お気に入りの書体を探すことが上達への第一歩
ハンドレタリングを上達させるには、お気に入りの書体を探すことが大切です。
書体には、ハンドレタリングで書いたようなものも数多くあります。さまざまな書体をチェックすることで、 アイデアのレパートリーが広がるでしょう。気に入った書体が見つかったら、見本をまねしながら練習してみてください。
文字のバランスを意識しながら毎日練習すれば、ハンドレタリング技術は驚くほど向上します。
タイポグラフィー&カリグラフィーとはどう違うの?
ハンドレタリングと似ているものに、「タイポグラフィー」と「カリグラフィー」があります。なんとなくわかっているようで明確な違いがわからない…、そんな方も多いのではないでしょうか。
そこで、以下ではタイポグラフィーとカリグラフィーについて簡単にご紹介します。それぞれの違いを知ることで、ハンドレタリングをより深く知ることができるでしょう。
活字を読みやすく美しく配置する「タイポグラフィー」
タイポグラフィーとは、活字を読みやすく、美しく配置して芸術性を表現することです。1455年頃、活版印刷とともに歴史がスタートしたといわれており、いまや街中にはタイポグラフィーを活用した広告や看板、印刷物があふれています。
なお、タイポグラフィーの中には、カリグラフィーやハンドレタリングも含みます。
文字を美しく書くための手法「カリグラフィー」
カリグラフィーとは、文字を美しく書くための手法です。ギリシャ語で「美しい書きもの」という意味を持ち、「西洋の書道」とも呼ばれています。
特殊なペンと独特のタッチで描かれるアルファベットが魅力のカリグラフィー。古くは主に碑文や公文書などに使用されていましたが、現在では名刺やグリーティングカードなどにも活用されています。
また、近年はクラシカルなカリグラフィーだけでなく、より自由なモダンカリグラフィーも注目されています。
カラーマーカーなどを使って文字を華やかにデザインするモダンカリグラフィーは、自分らしい文字を追求・表現したい方にピッタリですよ。
初心者必見!ハンドレタリングの練習法
いざハンドレタリングを始めようと思っても、何から始めていいのか迷ってしまうかもしれません。紙とペンだけで始められる気軽さゆえ、とりあえず書いてみようと試す方も多いはずです。しかし、書いてみた結果、「思っていたのと違う」「上手に書けない」と悩む方も少なくありません。
せっかく始めるのだから上手になりたい、と思うのはあたりまえのことですよね。そこで、ここからはハンドレタリング初心者の方におすすめの練習方法をご紹介します。
初心者が練習するなら「練習用シート」がおすすめ
ハンドレタリングの練習を始めると、「おしゃれに見えない」「文字のバランスが難しい」などの悩みが出てきます。
フリーハンドの場合、ガイドがなければズレたり、文字のサイズがばらついたりと、いまいちな仕上がりになってしまいがちです。もちろん練習すれば徐々に慣れていきますが、効率よく練習したいなら「練習用シート」を使ってみてください。
ガイドラインが入ったシートを使って練習すれば、一つひとつの文字の大きさに統一感が出るほか、文字の幅を合わせやすいので文字の大きさをより細かく設定できます。
少しずつ慣れてきたら縦長の文字にしてみたり、詰まった印象の文字にしてみたりと自由に変化をつけてみましょう。なお、本番を意識してはがきやメッセージカードのサイズにも慣れておくと、全体のバランスを把握しやすくなりますよ。
書体の見本やお手本を見ながら鉛筆で模写してみる
練習する際、まったくの未経験であれば書体の見本やお手本を見ながら、一文字ずつ練習することをおすすめします。その際、ペンではなく鉛筆を使って模写すると、書いて消してを繰り返し練習できるため、フリーハンドの技術を磨くことができますよ。
見本があってもフリーハンドで書くのは難しい場合は、なぞり書きから始めてみましょう。見本の上にトレーシングペーパーを重ねて固定し、その上からアルファベットをなぞって練習してみてください。
ハンドレタリングでは、アルファベットの太い線・細い線のバランスが見栄えに大きく影響します。鉛筆で行う場合、細く尖らせると太い線を描きにくくなるため、芯の太さをある程度保ったうえで練習すると感覚を掴みやすくなるかもしれません。
フリーハンドでアルファベットを書くことに慣れたら、実際にハンドレタリングに使用するペンを使ってみましょう。オリジナルの文字を書くと楽しさも倍増しますし、練習用の紙をポストカードのサイズにカットして本番さながらの練習を行えば、どれくらいの大きさで書けばバランスが保てるかを感覚で覚えられますよ。
文字をきれいに見せるために3つのポイントを揃える
書くことに慣れてきたら、文字そのものをきれいに見せるための練習を行いましょう。文字をきれいに見せるためには、アンダーラインと角度、文字の間隔を揃えることが重要です。
アンダーラインをそろえる
アンダーラインがそろっていると、文字がまっすぐできれいに見えます。最初は難しく感じるはずなので、ガイドの入った練習用シートにトレーシングペーパーを重ねたり、鉛筆で薄くアンダーラインを書いたりして練習しましょう。何度も書くうちに、自然とアンダーラインを揃えるクセがつくようになります。
文字の角度を揃える
文字をまっすぐ書くことも大切ですが、文字の角度(傾斜)を揃えることも文字の見栄えをよくするためには重要です。こちらも、ガイド入りの練習用シートを使用したり、鉛筆で薄く斜めに線を書いたりして、角度がそろえる練習をしてみましょう。
文字の間隔を揃える
文字の間隔がそろっていないと、全体のバランスが悪く見えてしまいます。練習する際は、間隔が均等になるように意識してみましょう。描き終わったら文字の間隔が均等かどうかを確認し、バラつきがある場合は少しずつ調整するように繰り返し練習してみてください。
How toコンテンツやワークショップも活用してみよう
How toコンテンツやワークショップの活用もおすすめです。YouTubeなど動画での解説は、テキスト学習とは違って動きがあるため、手順がわかりやすいというメリットがあります。作家さんの手元を見ながら練習できるので、上達も早いはずです。
ほかにもお気に入りの作家さんの文字をトレーシングペーパーの上からなぞったり、初心者向けに開催されているワークショップに参加してみたり、楽しみながら練習してみてください。
手軽にできるアレンジを身につけよう
ハンドレタリングは、アレンジを加えることで文字の雰囲気を変えることができます。こちらでは、手軽にできるアレンジ方法についてご紹介します。
角度に変化をつけると見た目の印象がガラッと変わる
文字をきれいに見せるためには角度を揃えることが大切です。慣れるまでは角度を緩やかに変化させることをおすすめしますが、慣れてきたら角度に大きく変化をつけてみましょう。
普段よりも大きく角度をつけると、エレガントな印象になります。筆記体のように流れるような文字が大人の遊び心を感じさせるほか、華やかさを演出してくれるため、クリスマスカードやバースデーカード、パーティーの招待状などを書く際におすすめです。
逆に角度をつけない(ダウンストロークをアンダーラインに対して垂直に下ろす)と、どっしりと力のあるカジュアルな雰囲気になります。文字としても読みやすいため、手帳や日記に書く文字としてもピッタリです。
また、カジュアルさを感じさせる一方で誠実な印象も与えるため、お客さまに見てもらう機会の多い店舗の黒板メニューなどにもおすすめでしょう。
線を工夫するとバリエーションが生まれる
文字を書く際、線を工夫するとデザインとしてのバリエーションの幅が広がります。
例えば線を太くする場合、「全体的に太くする」「縦線だけ太くする」「横線だけ太くする」「左右どちらか一方の線だけを太くする」と選択肢はたくさんあります。どの線を太くするかで見た目の印象は変わるため、使い分けることでデザインに幅を持たせることができるでしょう。
また、「線をドットで表現する」「縦線だけ2重線・3重線にする」というように線自体にアレンジを加えれば、通常の文字よりもポップで個性的な印象に仕上げることも可能です。
このほか、文字に影をつけるのもおすすめです。影をつけると立体的に見えるため、デザインに奥行きが生まれます。影の描き方にも工夫すれば、バリエーションはより多くなるでしょう。
すぐに試せる!ハンドレタリングの活用アイデア3選
こちらでは、ハンドレタリングの活用アイデアを3つご紹介します。
メッセージカードやグリーティングカード、ラッピングに
メッセージカードやグリーティングカードをハンドレタリングで書くと、おしゃれな印象に仕上がります。また、ラッピングペーパーやリボンなどにハンドレタリングで文字を書くと、シンプルな包装紙にも華やかさをプラスすることが可能です。中でもクラフト紙はハンドレタリングと相性が抜群!そのままでもおしゃれですが、ハンドレタリングで文字を書くとよりモダンですてきな印象になります。ぜひ、試してみてくださいね。
▽こんな時にもポストカードを送れます
日記や手帳を楽しくアレンジ
ハンドレタリングで日記や手帳をアレンジすれば、毎日の楽しみになります。例えば、お気に入りの料理レシピや、新しく見つけた好ましいカフェの情報など、自分が好きなものをハンドレタリングで書いていくとより魅力的に感じられるでしょう。また、見返すたびに書いたときのことを思い出せるため、特別な思い出に感じられるはずです。
▽手帳アレンジをご紹介!
黒板アートを制作してインテリアとして飾る
ハンドレタリングの技術は、黒板アートにも役立てられます。文字をおしゃれに配置すれば、インテリアとして飾ることも可能です。ウェルカムボードやメッセージボード、スケジュール表として使えば、インテリアにオリジナリティをプラスできますよ。
このほか、子どもの誕生日に黒板アートを制作し、毎年写真を撮るというのもすてきでしょう。工夫次第でさまざまな楽しみ方ができるので、ぜひ挑戦してみてはいかがでしょうか。
文字だけではもの足りないならイラストを添えてみよう
ハンドレタリングをしているとき、「思った以上に余白ができてしまった」「全体のバランスが気になる」「でき上がりに自信がない」などと悩むこともあるかもしれません。そのときは、イラストを添えて可愛さをプラスしてみてはいかがでしょうか。
ハンドレタリングは文字が主体ですが、イラストを加えることで華やかな印象に仕上げることができます。過剰な余白に挿絵やフレーム、飾り線などを書き込むと全体にまとまりが出るためクオリティが上がるほか、見る人の目を楽しませられるので作品に幅を持たせることができるでしょう。
ハンドレタリングのメインは、あくまでも文字です。凝ったイラストを書く必要はなく、お花やスイーツなどの簡単で可愛らしいものをプラスしてみましょう。自分だけのオリジナルマーク(イラスト)を書き込めば、より特別感のあるメッセージカードになります。
なお、すぐにペンで書くとミスをするかもしれません。鉛筆などで薄く下書きをしてからペン入れをすれば、完成までミスなく仕上げられますよ。
ハンドレタリングにおすすめの筆記具
ハンドレタリングを始めるなら、道具にもこだわりたいですよね。きちんとした道具を使用することはモチベーションアップにつながりますし、さまざまな色のペンを揃えることでアイデアも浮かびやすくなるでしょう。
シヤチハタの「いろもようペン」「Artline Stixブラッシュマーカー」「デコライト 筆」は、ハンドレタリング初心者にもおすすめのアイテムです。ここでは、それぞれのペンの特長やカラーバリエーションなどをご紹介します。
濃淡・混色も思いのまま!ブラッシュタイプの極細ペン
シヤチハタの「いろもようペン」は、しなりが良いブラッシュタイプの極細ペン。耐久性に優れており、筆圧に応じて細かな線も太い線も描けます。繊細な個所の色塗りにも最適なほか、濃淡・混色用のペンを使用することで色の濃さを調節できるため、グラデーション表現も思うまま。2~3色のカラーインキを混ぜて、自分好みの色を作ることも可能です。
また、油性顔料インキで押したスタンプに色を重ねる際も印影がにじむことなく美しい仕上がりを実現します。グリップが握りやすいので、長時間の集中する作業にも向いていますよ。
なお、いろもようペンは22色展開です。一本ずつ購入できるほか、6本セットが3種類あるので(さやか・ほのか・ひそか)、まとめて購入したい方やプレゼントをお探しの方にもおすすめです。
ペン先そのままに太い線も細い線も描ける!デザイン性にも優れたペン
シヤチハタ「Artline Stixブラッシュマーカー」は、三角形のグリップが特長的なペン。デザイン性に優れているだけでなく、手になじむため握りやすく、ペン先の向きを変えずに筆記線をきれいに書くことができます。筆芯が柔らかいので線の強弱もコントロールがしやすく、水性染料インキを採用しているので、グラデーション表現にも最適です。
カラーは全部で20色。定番のブルーやレッドはもちろん、明るい色合いがかわいいオレンジやイエロー、やさしい色合いのアプリコットやライトブルー、個性的なマゼンタやターコイズなどもありますよ。
影を付ける際に役立つダーク系カラーもあるので、ぜひお好みのカラーを揃えてみてくださいね。
描く素材を選ばない!カードやポスターへデコレーションしやすいペン
シヤチハタ「デコライト 筆」は写真紙やプラスチック、木、陶器など、幅広い素材に使用できるペン。濃い色の紙にもきれいに書ける水性顔料インキで、グリーティングカードやポスターへのデコレーションにもピッタリです。柔らかい筆タイプで線に強弱がつけやすく、筆記線が乾けば重ね書きも可能です。
プラスチックやガラスならインキを水拭きで消すことができるので、お子さんの工作はもちろん、クリスマスなどのイベント時に窓へお絵描きを楽しむこともできます。カラーは全部で20色。パステル系とメタリック系のカラーもあり、同じレッドでも異なる色合いや発色を楽しめます。
また、ゴールドやシルバー、ブロンズの金属系のカラーもあるので表現の幅が広がるはずです。楽しみながら作品づくりができますよ。
さっそくハンドレタリングを始めてみよう
特別な道具がなくてもすぐに始められるハンドレタリングは、手軽なクラフトアートを探している方にピッタリです。上達すればバースデーカードやクリスマスカード、年賀状などを書く際もきっと楽しめるはずです。
ペンと紙さえあればどこでもできるので、日常の隙間時間を使ってぜひチャレンジしてみてください。